久しぶりに来院された51歳男性の患者さんのお話です。主訴は左膝の痛みでした。
お子さんとのサッカー中に膝がガクンと抜けるような感覚があり、痛みが生じたとのことでした。中学生の頃にオスグット病の既往があり、当時はかなり辛い思いをされたそうです。そうした背景もあって、今回も膝を痛めたのではないかと心配されていました。
整形外科的な検査を行いましたが、膝関節そのものに大きな問題は見つかりませんでした。可動域もほぼ正常範囲です。ただし屈伸動作で左膝に詰まるような不快感があることは確認できました。
全身を診ていくと、左下肢全体の緊張感が目につきました。特に左腰部の緊張が強く現れていました。施術を進める中で患者さんから「普段腰は痛くならないんだけど、腰まで来ちゃったから久しぶりに来ました」というお話がありました。約5年ぶりの来院だったそうです。
日頃からストレッチを欠かさない方で、全体的なコンディションは決して悪くありません。それでも今回は膝から腰へと症状が広がってしまったようでした。
施術では膝周辺にもアプローチしましたが、重点を置いたのは腰部でした。左腸腰筋の過緊張が顕著で、左腎臓周辺の筋膜の滑走性も明らかに低下していました。これらの部位を中心に施術を行い、腰椎の調整も併せて実施しました。
施術後、屈伸動作での不安感は消失し、腰部の軽快感も得られました。患者さんにも満足していただけたようで、しばらく経過を見ていただくことになりました。
この症例で改めて感じたのは、訴えの部位と根本的な問題箇所が必ずしも一致しないということです。膝の痛みであっても、膝そのものに大きな異常がないケースは少なくありません。
皆さんは患者さんの主訴と実際の施術ポイントが異なる場合、どのようにして真の問題箇所を見極めていらっしゃいますか。









