妊活・不妊

採卵後の身体ケアとパートナーとの温度差

42歳の女性。妊活中で、以前は採卵がうまく進まない時期が続いていましたが、最近は凍結まで順調に進むようになってきた方です。

今回は採卵後の施術でした。採卵では卵巣に針を刺すため、下腹部の張りや痛みが残ることがあります。この方も例外ではなく、骨盤内の緊張が強く現れていました。

鍼灸と徒手療法で骨盤内の膜のテンションをリリースしていきます。採卵後の身体は想像以上にダメージを受けています。表面的には見えませんが、内部では確実に反応が起きている。そこをまず丁寧にケアすることから始めました。

施術中、この方から採卵後の出来事について話がありました。痛みがひどく横になっていたところ、ご主人から「なんで横になっているんだ。朝の支度ができていない」と言われ、言い合いになってしまったそうです。

身体の痛みと心の痛みが重なった瞬間だったのかもしれません。

妊活中の女性の身体に起きていることを、パートナーが理解するのは確かに難しい面があります。目に見えない変化や痛み。医療的な処置による身体への影響。そして何より、女性自身が抱える様々なプレッシャー。

この日は身体の施術と併せて、ご主人への説明方法についてもお話ししました。どのような言葉で伝えれば理解してもらいやすいか。どんなタイミングで話すのが良いか。具体的な提案をいくつかお伝えしました。

施術後、この方の身体は明らかに楽になっていました。しかし私は同時に考えていました。身体のケアだけで本当に十分なのだろうか、と。

妊活に関わる施術家として、私たちはどこまでサポートできるのでしょうか。技術的なアプローチはもちろん大切です。でも、患者さんが抱える複雑な状況に対して、どのような姿勢で向き合うのが最も患者さんのためになるのか。

皆さんは、このような場面でどのようなことを意識されているでしょうか。

関連記事

  1. 施術家の思考

    患者さんを卒業させることが、本当のゴールだと気づいた日

    「この患者さん、いつ卒業させたらいいんだろう」と迷ったことは、ありませ…

  2. スポーツ・外傷

    「筋トレした方がいい」と医師に言われた患者さんへの向き合い方

    この症例について定期的に通院されている50代男性。デスクワーク中心…

  3. スポーツ・外傷

    肉離れから1ヶ月半、なぜ腫れが取れないのか——標治と本治、両面からのアプローチ

    症例の概要40代男性、初診。スノーボード中に急激な足関節背屈がかか…

  4. スポーツ・外傷

    痛む左膝、原因は右膝にあったー代償動作から紐解く膝痛の見立て

    痛みのある部位と、原因のある部位は、必ずしも一致しない。特に外傷のきっ…

  5. 内臓調整

    坐骨神経痛様症状に、なぜ小胸筋へ刺針するのか——ASIS機能障害の見つけ方と遠隔アプローチの実際

    症例の概要60代女性。右側の坐骨神経痛様症状を主訴に来院されました…

  1. 内臓調整

    左背部痛と自律神経症状、どこから読み解くか
  2. 施術家の思考

    目の奥の痛みを、首だけで診ていないか
  3. 内臓調整

    右背部痛2年。肩ではなく、肝臓を診た理由
  4. 腰痛・骨盤

    膝の痛みを訴える患者さんの腰に注目した理由
  5. 施術家の思考

    ぎっくり腰の奥に何を見るか
PAGE TOP