内臓調整

夏になると崩れる。その「サイクル」をどう読むか

20代後半の女性。
主訴は全身のだるさ、のぼせ、冷え性、食欲不振、乗り物酔いです。

毎年夏になると症状が強くなり、涼しくなると落ち着く。
そのサイクルをもう3年間、繰り返しているとのことでした。

病院では「異常なし」。
甲状腺やホルモン検査もご自身で済ませており、そこはすでに除外できていました。

のぼせと冷えが同時にある。
バスや電車の人混みで気分が悪くなる。
でも冬は平気。

この組み合わせを見たとき、多くの方が自律神経の不調を疑うと思います。
私もまず、そこに目が向きました。

ただ、話を丁寧に聞いていくと、もう少し具体的な手がかりが出てきました。

もともと陸上競技の経験があり、体を動かすことが習慣になっている方です。
冬の間に運動不足を解消しようと、週2回のランニングを続けていました。
その間は症状がほとんど出ていなかった。

ところが4月に差し掛かり、仕事が忙しくなったタイミングで頻度が週1回に減った。
そこから症状が出始めているとのことでした。

この経緯を聞いたとき、「暑さ」よりも「排熱機能の低下」が先にあるのではないかという仮説が浮かびました。

定期的に発汗・循環を促していた習慣が減ったことで、熱を処理する身体のキャパシティが落ちている。
そこに夏の外的な暑さが加わって、症状として表面化している。
そう考えると、冬は平気という点にも一定の説明がつきます。

のぼせの様子も印象的でした。
耳が赤くなる、頭から汗をかく、呼吸が浅くなる。
熱が上半身に滞りやすいタイプです。

今回の施術では、徒手で自律神経へのアプローチを中心に行いました。
あわせて、セルフケアとしてお風呂の最後に頭部だけ短時間水をかけて冷やすことをお伝えしています。
体を冷やすのではなく、頭部に集まった熱だけを逃がすことが目的です。

そして何より、週2回の運動習慣を再開することをお勧めしました。
施術よりも、この習慣の再開が症状の安定に直接つながる可能性が高いと感じています。

この方には鍼灸は使っていませんが、こうしたのぼせや冷えのパターンに対して、経絡調整や温熱との組み合わせが有効なケースは少なくありません。
今後の経過を見ながら、必要であれば選択肢として提示することも念頭に置いています。

ひとつ、読んでくださっている方に問いかけさせてください。

「毎年同じ時期に崩れる」という訴えを聞いたとき、あなたは何を最初に探しますか。
季節の変化、ストレス、ホルモン……いくつか候補が浮かぶと思います。

その中で「習慣の変化」にたどり着くまで、どれくらい話を聞いているでしょうか。

症状のサイクルと、生活のサイクルが重なっているとき。
どちらを先に見ているか、少し振り返ってみることがあります。

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