施術の効果が続かない。
そう感じたことは、誰しも一度はあるはずです。
技術を磨いても、評価の精度を上げても、患者さんが「また戻った」と言って来院する。
その「戻り」の背景に、私は長い間、正面から向き合えていませんでした。
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40代・デスクワーク中心の患者さんの話です。
首肩のこりと慢性的な疲労感が主訴で、施術後の変化ははっきりある。
しかし2週間ほどで元の状態に戻る、というサイクルが続いていました。
問診を丁寧に重ねていくと、見えてきたのは生活側の問題でした。
睡眠は深夜1〜2時就寝。食事はパン・麺類が中心。運動はほぼゼロ。
仕事上の人間関係ストレスも、長期間にわたって続いていました。
施術で機能を整えても、日常がその機能を毎日削っているとしたら。
私の手が届いているのは、週に1回・1時間だけです。
残りの167時間は、私の関与できない時間です。
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そこから、施術と並行して生活への介入を始めました。
まず睡眠。12時を過ぎないことが望ましいという話をしました。
深夜1時前後に脳脊髄液の浄化が最も活発になる時間帯があるとされており、その時間を起きて過ごすことのコストを、言葉にして伝えました。
食事については、小腸の機能評価で反応があったこともあり、小麦粉の摂取頻度を一度意識してもらうよう提案しました。
「合わないかもしれない」という気づきは、施術家が検査を通して伝えることで、はじめて現実感を持ってもらえることがあります。
運動は、まず「0から1」の段階。強度よりも、動く習慣をつけることを優先しました。
セルフケアの内容は、動画にして渡すようにしています。
口頭だけでは忘れる。でも動画なら、日常のどこかで見返せる。
一度作れば、何度でも使える。労力の割に、継続率が変わりました。
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正直に言うと、私にもこうした指導を「手間に感じていた時期」があります。
「施術だけで完結できる」と思っていた頃です。
生活まで踏み込むのは自分の領域ではない、とどこかで線を引いていました。
その線を外すきっかけになったのは、内臓の評価を丁寧にやり始めてからでした。
内臓の状態が、食事や睡眠の影響をこれほど受けるものかと、手を通して感じるようになって初めて、「施術だけでは届かない」という事実が腑に落ちました。
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ただ、一点気をつけていることがあります。
感情的なストレスや心理的な負荷が主因と感じられるケースは、横隔膜の評価だけに留まらず、専門のカウンセラーや心理士との連携を考えます。
私たちは徒手療法家であり、心の専門家ではありません。
抱え込みすぎないことも、患者さんへの誠実さだと思っています。
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今、あなたの患者さんの「戻り」は、どこから来ていると見立てていますか。
施術の技術の問題なのか、評価の精度の問題なのか。
それとも、施術室の外の時間に、別の何かが起きているのか。
その問いに、どう向き合うかで、施術の意味が変わるかもしれません。










